BLAME!

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弐瓶 勉
(1998/06〜
 2003/09/22)
講談社

 圧巻。やっちゃいました★BLAMEの感想、まとめなおします。


 探索者「霧亥(キリイ)」と、彼のいる「都市」の物語。

 まず、このマンガの一番のポイントは、説明がほとんどないところだろう。今がいつで、ここがどこで、どういう世界で、ということが書かれていない。それどころか、一話の中で吹き出しが一個もなかったりする。
 存在する世界に対して、説明も解釈もない。でもそれがあまりにもリアル。主人公だって、「今がいつで、そこがどこなのか」分かっていないのだ。一人で巨大な迷宮を歩いていたら、独り言以外に言葉を発しないだろう。寡黙な主人公ならなおさら、言葉を口にしない。排除するシステムが、排除する対象に話しかけることなんてないだろう。人間同士でさえ、言葉が通じないかもしれない。
 だから誰も説明しない。だから世界に引き込まれる。主人公と同じ状況に陥る。唐突に、その世界にほっぽり出される。何がどうなっているのかわからない。ただ、自分の立っている場所には恐ろしい程の背景が存在している、という感覚は強くある。生存者とのやり取りで、ぼんやりとその背景が見え始める。(そして大抵彼らは死んでいく。)
 その感覚がたまらなく良かった。
「知りたい」と思うことで、読みたいという衝動が掻き立てられる。読者の解釈がどんどん膨らんでいく。書かないことが、こんなに効果的な作品はないと思う。文字がない分、絵がたくさんのことを物語る。

 10巻で完結なのだが、最後まで説明はほとんどなかった。最後の1ページまで、絵が物語っていた。
 そうなると、やっぱりわからないことが多い。最初に犬と一緒に出てきた女の子は何者? 8巻のカラーの映像は? 9巻の霧亥の見た映像は?

 あとは、とにかくセンスがいい。
 タッチが変化しているとはいえ、基本的な造形は一貫している。無機質。人気のなさ。直線的。幾何学的。シュールな世界。人のいない砂漠をひたすら歩き続けているような感覚。序盤と終盤は特に、キリコの描く世界に似た静けさを感じた。
 9巻の窓際に座るシボさんとか、変形した建設者とかが好きだ。


 とにかく、1巻を読んでほしい。しかし、1巻だけではいけない。最低でも3巻まで用意した方がいい。きっとこのマンガの魅力が分かってもらえると思う。

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