かげふみさん
![]() | ![]() | ![]() | かげふみさん1〜3 (バーズコミックス) 小路 啓之 |
「かげふみ」とは、相手の影が踏めるほど近くにいても気配すら感じさせない、尾行のプロのこと。かげふみである主人公・めぐみのメグは、標的に張り付いて殺し屋に情報を渡す仕事をしている。ただ、彼女は気になることがあると納得するまで鼻血が止まらない体質で、仕事中も「標的が悪に見えない」「どうして殺されなければならないのか?」と鼻血を流し続ける。鼻血を止めるため(?)、そして誰かの命を救うため、見えない彼女は今日も奔走する。
……とまあ、慣れない紹介文なんぞ書いてみたわけだけど……なんかもう、ごめんなさい、いろいろ。
これはかなりオススメなマンガ。とにかく面白い。
『イハーブの生活』から5年ほど経ち、驚くほど絵柄が変わった。細かった線はやや太く、全体的に丸くなった。女の子はほっぺたがぷにぷにし始め、より可愛らしくなっている(当社比3倍くらい萌え、とかいったい何を書いてるんだ僕は)。
鼻血が止まらないかげふみさんことめぐみのメグもさることながら、目立ちたくなくても目立ってしまう人間心理学研究員・がじゅ丸、第三のかげふみで刃物が好きなキリコ、綺麗でエロい華の子のルソルソ、狙撃手の一発屋カン太、バクハツの吾朗ちゃん、首切り三瓶などなど、相変わらず癖のある、個性の強すぎる登場人物ばかり。気の利いた台詞、ネタの応酬はさらに磨きがかかっている気がする。何度読んでもにやにやしてしまう。
基本殺し屋の話なので、ばたばた人が死ぬ。納得しようがしまいが、わけが分かろうが分かるまいが殺される、不条理さみたいなものはある。ただ、絶望とか悲しみとかはあまり強く感じられない。物語が終始どたばた喜劇のようなテンションで展開することと、キャラの言動が面白い(特にがじゅ丸の存在が大きい)ことに起因しているのかと思う。
あえてメインテーマを挙げるとすれば、ありがちな言葉になってしまうけれど、「表裏一体である愛と憎」というところだろうか。
実は今回、2巻と3巻を先に読んでから1巻を読むという邪道なことをしてしまった。そうしたら1巻がやけにエロくてびっくりした。3話と4話が特に下ネタオンパレードで笑える。(1巻だけ買ってみたそこのキミ、どうかひかずに続きをぜひ。幻冬社のページで第1話を試し読みしたアナタ、まだ序の口です。)1巻の最後に収録されている短編『甘い運命』の登場人物が、ちゃっかり後の巻で出ていたのも楽しかった。
『イハーブ』では各話のタイトルが食べ物だったけど、『かげふみさん』では動物で、表紙がその動物を思わせるデザインになっている。ただ、3巻だけは違っていて、表紙ではそれまでに死んだキャラたちが頭に輪っかつけて出ている。そういえば『イハーブ』でもそういう表紙あったな。表紙のセンスの良さも好きだ。
それにしてもあのラストは……最初、気がつかずにハッピーエンドだと思ってしまった。大ボケだ。
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