小さな世界
![]() | 小路啓之作品集 1 (2007/09/22) 小路 啓之 商品詳細を見る |
ようやく探し当てた1は結構黒め。収録話は『小さな世界』『7.5Hz』『kurutare』『イレイサー・ヘッド』『運命の人』『十代の潜水生活』の六つ。
『小さな世界』
主人公・みかさにしか見えない小人。彼の言うとおりにしていれば万事OK、だがある日その小人が姿を消してしまい……という話。
こういう路線も嫌いじゃないし、最後の方で問われるどん詰まりな感覚も悪くない。でもオチが宙ぶらりんな感じだった。
『7.5Hz』
スプラッタが好きなもので。
ある日突然、人々は他人に近づくだけでイライラし、殺し合うようになってしまった。彼らはお互いに殺し合わないよう、ひきこもって生き始める、という話。
「トイレの便座を上げっぱなしにしてたから」とか、殺す理由が極端なほどに些細。さらに、こんな状況に陥ったら精神崩壊とか罪の意識に苛まれるとかしそうなものなのだが、主人公は人を殺しても全く悪びれることがない。その軽さが妙にリアルに感じられて、怖い。
絵柄といいノリといい雰囲気といいオチの台詞といい、『かげふみさん』を思わせる作品。
『kurutare』
元軍人のエリーは、「早撃ち大会」に参加して日々金を稼いでいた。ある日、大会にバレットという少女が参加する。彼女の銃に込められていたのは決して的を外さない魔弾だった、という話。
エリーがエロい、その一点に尽きる。尽きるなよ自分。
『イレイサー・ヘッド』
記憶を消せる腕を持つジョナサン。あるストーカーの女性から、好きな彼の記憶を消して欲しいと頼まれるが……という話。
テーマは愛と憎だった。こういうどろどろしたのも嫌いじゃないんだけど、なぜか感情移入できない。独特の軽さがマイナスに作用しちゃってるのかも。あと、「記憶を消すことができる腕」ってどこかで聞いたような。
ジョナサンの腕のデザインが好き。一度でいいからバリバリの機械モノを描いて欲しい。あとがきの、今のタッチで描かれているジョナサンがかっこよすぎる。
『運命の人』
告白されたけど、私は運命の人としか付き合わないの、という女の子の話。恋愛もの一直線。
ハゾメさんが可愛い。テンポくんの台詞がよすぎる。あと、滑り台のシーンのカメラアングルが好き。次のページで突然抱きついているのと合わせて、すごい効果的な表現だと思った。
『十代の潜水生活』
足のない女の子メロンと、泥棒の男の子チョコの物語。
なんというか、思わせぶりな台詞に勝手に騙されたけど、騙された後で見た光景の美しさ、すがすがしさは格別だった。額に傷を持つ男が何を意味するのかイマイチよく分からなかった。あとメロンとチョコの心情の描写がちょっと急ぎすぎじゃないかな、と思ったりもした。けれど、とにかく、ノートの話とクライマックスのシーンが素晴らしすぎる。
あとがきが食べ物の話ばかりだった(笑)。やっぱり食べ物好きなんですね……。
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